50歳からのフードデリバリー配達員

あなたは50歳以上ですか? はい/いいえ 

ムサコのマックドから初リクエスト

初見の武蔵小杉のマックド(編集部注:「マクドナルド」の意か)からリクエスト着信!

ムサコってことはまさかフーデリ配達員の入館手続きがめんどくさいショッピングモール「グランツリー」内の店舗…?

キャンセルキャンセル!

…と思いつつよく見ると「東急スクエア」だし駐輪場所以外、入館に関しては特にウルサイこと書いていないようなので行ってみた。

南武線の高架下」との事だったが結局直ぐには分からず、結果として直ぐ近くにいたにも関わらず駅を中心とした円周の1/4で済むところをぐるりと3/4移動したことになった。

指定の「荷」と書かれた駐車スペースを発見。コーンとプラスチックチェーンで囲ってあるので外して進入(メンドクサ)。

さて店舗は何処?

するとマックドのデリバリーシールの付いた袋を下げた配達員風の男を発見。

彼の来た方に行ってキョロキョロしてみるも見当たらず…観念して案内図を参照。

何気に遠い?人もいっぱいいるし…ハズレ?ハズレ案件なの⁉︎

…と意気消沈しつつなんとか店舗に到着して一安心したものの…

モニターに私の番号がない!

店舗からのメモには「カウンターの間口が狭いからちょっと離れて呼ばれるまで大人しく待っとけYO!」的なことが書いてあったが念のため確認。

「ウーバーですけど…」

「お呼びするのでお待ちください!」

「いや、モニターに番号が出てないんですけど…」

「大丈夫です!お呼びするのでお待ちください!」

と小柄で可愛らしく且つ芯の強そうな女子に嗜められてしまったので対面の壁際で大人しくスマホ作業に興ずることに。

5分位経っても呼ばれないし依然としてモニターに番号も出ない。

あれ、このパターンって…?

どこかの木偶の棒(コラコラ)の陰になっていたので見落としていたが、よく見れば「待ちぼうけ棚」にポツンとお食事とドリンクと思しき2袋が鎮座ましましているじゃあありませんか!

時を同じくして先ほどの「『お待ちください!』女子」も気づいたようで慌てた様子でカるウンターから飛び出して「◯◯◯◯◯のウーバーさん!」と私の番号を読み上げた。

「ウーバー◯◯◯◯◯でっす」と復唱して袋を受け取りつつ「…ひょっとして結構前に出来てました…?」とポツリ。

「ゴメンナサ〜イ…!(汗)」と険悪な雰囲気に身構える彼女に「…ではお預かりいたしま〜す♪(ニコッ!)」としっかりフォローを入れて退出。


…まあヘルメットにイカついバルブ付きマスクから僅かに露出しているオジサンの目元が「ニコッ!」ってアピールしたところで伝わったかどうかフィフティーフィフティーかもですがね。

いや、むしろフォーティーシックスティーで伝わってないかも…f.o.


その配達のドロップが完了した後、そろそろ帰路方面へ移動しよう…と思っていたらウォルトからリクエスト。

おお、さっきのムサコマックドじゃないですか!

もう初見では無いので気がラク…指定駐輪スペースにもノールックでたどり着ける自信あるぜ!(…ファンタジーの世界か?)


そしてワンチャンさっきのアノ娘に会えるかも〜♪(オイオイ!)


店舗に到着すると既にコールされていて(編集部注「呼び出しがかかっていて」の意か)

カウンター台に二つの袋が仲睦まじく鎮座ましましていた。

番号を確認して右手にお食事、左手にコーラの布陣で持ち上げようとしたが違和感。

???

何か見えない力で二つの袋が引き合っている⁉︎


…よくよく見ればビニル袋の持ち手同士を結びつけてある様子。

いや私、お食事とドリンクは分けて運ぶ派なんでー、と思いつつ結びを解こうとしたが…


そもそも結び目が無い⁉︎


配達員が一瞬フリーズしたのに気付いた店舗スタッフの女性(さっきのあの娘!)が「こうなっています!」と種明かしをしてくれようとするのと同時にコチラも状態を把握。


要は「お食事」の袋の持ち手の輪っかに「ドリンク」の袋の持ち手の輪っかが通してあった、ただそれだけのことだった。


いや、意外とこのパターンなかった…

ちょっと前に6000配達を超えたところだけどまだまだヒヨッコだ…

勉強になったわ〜


それはさておきこんな簡単な「結果トラップ」に一瞬とはいえフリーズしてプリーズヘルプミーなシチュエーションに陥ってしまってバツが悪いので「それではお預かりします〜(汗)」と足速に退散。


「あの娘」との再会を噛み締める余裕は無かったのだった。


その後問題なくドロップ完了して帰路方面へ自転車を漕いでいる最中

「…最初の異変(「待ちぼうけ棚」の件)も次の異変(「見えない結び目」の件)も気付いたタイミングがシンクロしてたよな…ひょっとして気が合うかも…?」

と、オジサンの頭の中にはどこまでも花畑が続いているのでした。

 

お花畑

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