5年ぶりの運転免許更新が近づいてきて個人的に俄(にわか)に気色ばんでいた。
5年ぶり…つまり「優良運転者」なのです(強調!)。
現実問題として更新までの間に何らかの違反切符を切られる可能性もゼロではないわけで、そうしたらブルー(一般運転者以下)に転落するというリスクもあるわけで…
それに期限ギリギリまでグズグズしてたら、
まさかのウッカリど忘れの可能性も。
サッサと更新してしまえば再び5年間ゴールド(優良)の称号を享受、を確定出来るわけだ。
祝日の フードデリバリー・ロング 稼働の帰途、翌日に免許更新に行ってしまおう!と思ったが、免許センターに行くのだるいな…(以前行った時の喧騒が脳内で蘇る)
行くとしたら混雑を避けたいので朝一…
キツイな。
ロング稼働の日は帰宅も遅く、夕食も遅く、さらに気が昂っていたりして就寝時間が遅くなりがちなのだ。
交通手段はどうする?
免許センターの駐車場は1回1000円かかるみたいだし…かと言って自転車で行って汗だくになるのも、ヘルメットを脱いだあとのヒドい髪型で写真撮影の流れ、というのも避けたいところ。
公共交通機関だと直線距離の割に実際の経路は大回り感があり「スープが冷めてしまう」位置関係なのでモチベが著しくダウンしてしまうのだ。
あれ…待てよ?自分は「優良運転者」(強調!)なので最寄りの警察署でも更新ができるのだった!
最寄りの警察署 なら 朝一にこだわる必要もないし、そういえばその警察署は少し前に建て替え 移転していたので新しい建物がどんな感じなのかと興味もある。
それに免許センターと選ばれし6つの警察署以外は「2.4cm×3.0cm」の証明写真持ち込みの必要があるが、逆に言えば自分の納得のショットを使えるわけで、むしろ都合が良い。
さて当日、まずは重い腰を上げて自撮り開始。
証明写真用自撮りは何度かやっているがどこの壁面を背景にしたか忘れるほど前の話。
さてどの壁面を使ったっけ?
アプリはどれを使ったっけ…?
等々思い出しつつなんとか撮影開始。
ライティングは窓からの太陽光、電気スタンド「べリラックス」、
それとレフ板として白いプラ板を使用。
服装は黒のハイネックを着用。
理由は遥か昔(といっても昭和だが)、高校生の時に原付免許を取ろうかという頃に読んでいたバイクの本に「暗色系の方が良い」と書いてあったから。
理由も良く分からず未だに未確認情報に縛られているという…一種のホラーとされ言えるかもだが、反証もできないしする気もないので今回も黒で。
ハイネックは、首元をなるべく隠すため。
見た目の老いは首から来るのだ。
言うて今待ってるハイネックは「微」ハイネックだったのであまり意味をなさなかった!
さてここからが証明写真用自撮りの正念場。
まず視線。
「高すぎず低すぎずちょうどいい高さで、やや遠くを見ている感じ」を目指す。
そして口元。
私は無意識に口を閉じると、ややセンターが合わない傾向があるのと、口角の片方が上がり片方が下がるという二重人格者の炙り出しに引っかかりそうな傾向があるのでその辺も要注意。
そして顎のライン。
マヌケ感が出ない程度に前に出す感じで。
何故ならアゴを引き気味にすると弛(たる)みが発生して「プチ二重アゴ」感が生成されてしまい見た目年齢がプラス気味になるので!
以上の条件をクリアしてやっとのことで奇跡の一枚が完成。
さて 次の課題は プリント。
プリンターは持っていないのでコンビニのマルチコピー機にて出力。
しばらくやっていなかったので やり方を忘れていたり 機械の仕様が微妙に変わっていたり。
なんとか 用紙 選択まで持って行ったが、マルチコピー機の言う証明写真モードでプリントアウトしてしまう寸前で気がついて一旦中止。
確認してみるとこちらの用意したデータは自撮りアプリが2.3cm ×3cm の写真が4面付された状態で出力するようにサイズが整えられているので、そのままサイズはいじらずに2Lサイズの写真用紙にプリントアウトしてもらうのが正解とわかった。
写真の準備はなんとか完了。
そうこうしてるうちに 締め切りの16時が迫ってきているではないか!
物理 トリミングして いざ 警察署へ。
車を止められるかどうかがわからなかったので 最寄りのスーパーに駐車して警察署の窓口に駆け込むと窓口の若僧(言い方!)が開口一番「交通安全センターに行って3000円の証紙を買ってきてください」
???
はぁ!?何じゃそりゃ?
〜16:00って書いてあったからそれに間に合うように来てるんだが?
署内で完結できないならちゃんと書いておけよ!?
言うてまだ二十分くらいあったし件のセンターは徒歩数分のところなので間に合うっちゃ間に合うんだけど…
どうせその「なんちゃら センター」っていうのは いわゆる天下り先 みたいなものなわけでしょ?(知らんけど)
そんなもの(仮定)のために足労を願われちゃうわけ?プンプン!
思い返せば この警察署が移転する前にも免許更新に行ったことがあるのだけれども その時も 「なんちゃら センター」に行って証紙を買わされたような気がする。
その時は 署の敷地の一角に薄汚い 掘っ立て小屋(悪意!)があってそこに その「なんちゃら センター」はあった。
移転後は隣接すらしていない 薄汚いビルの一角にその「なんちゃら センター」はあった。
炎天下、一瞬で汗だくに。
徒歩数分とはいえ信号につかまってイライラ〜!
「なんちゃら センター」のオバチャンが馴れ馴れしい感じでイライラ〜!
証紙購入が「現金オンリー」でイライラ〜!
警察署に戻る時も信号につかまってイライラ〜!
待っている時に陰が無くてイライラ〜!
やーっとこちらの想定していたスタートラインである窓口に到着して更新のお知らせハガキと証紙と証明写真をグイッと渡そうとすると窓口の若造(言い方!)が
「ソチラの〇〇と書いてある機械で手続きしてください」
はあ⁉︎まだ何かあんのかよ⁉︎
と一瞬気色ばんだが、「ソチラ」は数歩のところだった。
行ってみると現在の免許証を機械に飲み込ませろ、という旨が表示されているので従うと
何度かのタッチ操作の後、住所などの個人情報が記入された受付用紙が「ベー」と排出された。
なるほど…5年前(「優良」なもので…(←強調!))どうだったか覚えていないのがこういった 更新手続きなどの際は記帳代などで記入したような気もする。
現在は そういった 面倒くさい 作業は 機械化できるところは 機械化してやってくれてるということなのだろう。
さて「ベー」と排出された 用紙を持って 窓口にと思ったら 何箇所かは記入する必要がある模様。
「○年以内に突然気を失った、ということはありません」
的な質問が五つくらい並んでいて それに応じた 「はい/いいえ」にチェックマーク✅を入れて最後に署名をするという作業があった。
適切な選択肢にチェックマークを入れて 窓口の若造(言い方!)に提出したらザッと見てから証明写真を貼って 隣のオバチャンに渡すと、何やらオバチャンは不穏な面持ちで
「あー、これはダメだわ…」
何!?何か問題でも!?
訊けば「チェックマークの形がおかしい」との事。
えー‼︎
あ…ひょっとして日本も、運転免許の更新程度でも袖の下を要求される事態になってるのか?
日本、大丈夫か…?
仕方ない…いくら包めば良いのだ?と財布に手をかけたその時、
「このテの公的文書は結構ウルサいんですよね」と別の用紙を渡された。
チェックマークと署名のみ書き直せとの事。
しかし何が違うのか意味不明なのでまた書き直しになりはしないか?
こういう場合は「お手本」的なモノがあって然りでは無いか?
「何かお手本のようなサンプル的なモノは無いんですか?」
「フツーに書き直してもらえばオッケーです」
「いや、さっきのもフツーに書いたんですが…」
というとオバチャンは渋々とメモ用紙に手書きで「☑」と書いて私に見せた。
(違いがわからん…)
と思いつつも別用紙にフツーにチェックマークを記入して署名して提出すると違いは分からないが受理された。
さてお次は視力検査。
窓口のすぐ脇の装置を覗き込む。
実はもし常用のメガネでクリアできなかった時の保険として度の強い予備のメガネを持ってくるつもりでいたのだが、勤務先のロッカーに置いたままになっているに先ほど気が付いてちょっと不安だったのだが、片眼につき2つ答えただけで特に問題なくクリア。
ホッ!…とするのはまだ時期尚早…私はいわゆる「ペーパー」ではあるが「大型」を取得しているので最後の難関「深視力検査」が控えているのだ!
視力検査装置の隣に肩幅程のW×H×Dの箱があり覗き込むと白い背景の中心に3本の黒い縦棒がある。
両脇の棒は固定されていて真ん中の棒が遠くに行ったり迫ってきたりするので3本が横一列に揃った瞬間に箱に設置されているボタンをプッシュする流れ。
有無を言うまもなくスタート。
言うて人間の視覚は遠近をどうやって見分けているのだ?
この検査のように単純化というか情報が制限されている状況で固定側と移動側の差異といったら微妙なサイズ変化を手掛かりにするしか無いのか?
なんて考えていたら一致地点を通り越してしまった模様。焦る。
今度は手前に迫っていた縦棒が遠くに去っていく際の一致地点を特定するのだが、今?今なの?とボタンを開きあぐねている間に通り過ぎてしまった模様。
係のオバチャンはやや呆れた感じ…いや、窓口業務終了時間が迫っている事もありサッサと終わらせてくれないかな…という感じか。
「視力はちゃんと出てるんで見えてないということはないと思うんですよね。多分焦っていると思いますが落ち着いてもう一回やってみてください」
という事で再チャレンジ。
これが二俣川の免許センターだったらもう一度列に並び直すとか聞いた事があるが、幸いこちらはゴールド特典の最寄りの警察署で窓口が閉まる直前なので私1人だけ。
直ちに再チャレンジ。
いうて焦っているのでむしろ少しインターバルがあったほうがいい気もするが、窓口が閉まる時間なのだ。猶予はない。
意を決してマシンの穴を覗き込む。
今度は不思議と結構分かる気が…一致地点と思われる時にボタンをプッシュ。
2度ほどやったところで
「オッケーです」
やった〜♪
と安心する間もなく「最後の回が始まっちゃってるのですぐに講習を受けに行ってください!」と促される。
指差された方向を見て愕然とした。
なぜならその講習会場がちゃんとした部屋ではなく、警察署入り口ホールの隅っこをパーテーションで区切っただけのスペースだったからだ。
というのは前回の書き替えも警察署だったのだがその時は以前の庁舎での講習だった(今では更地になっているが)。
その時の講習会場は玄関ホールに入ってすぐ脇のスペースにパーテーションで区切っただけのものだったのでなんだかがっかりしてしまって、新庁舎になる際は当然講習専用の部屋ができるものと勝手に思い込んでいたのだった。
ところが蓋を開けてみればまた同じやり方のやっつけの講習スペース…これって警察が講習を重要に思っていない現れなのではないのか⁉️と一市民は思ったのだった。
さて、「やっつけで作った講習会場」に突入!
後ろの方の席に座ってひっそりとやり過ごしたい気持ちもあるが、そういったものを潔しとしない自分がいるのも事実。
今回は最前列の中央の席にどっかりと腰を下ろした。
前方のテレビモニターでは動画が再生されている。何気に機材を眺めてみるとDVDの文字が。えっ⁉️と思い動画に意識を移すと、いつ作ったんだか?と思うような古めかしい「慢心したドライバーが事故を起こす」系の動画が再生されていた。
いや…昨今の交通事情を盛り込んだ最新動画を配信とかで見せてくれるのかと期待しちゃってたんだけど、全くそんなことはなかった。
動画がひと段落ついたところで画面が消され横に坐っていた講師役の人が話し始めた。
まあたまたまなんだろうけどその講師役の人がまた「人前で話すのは苦手です」系の人で、見てるこちらがやや辛くなってしまう感じ…。
私より前からオーディエンスたちは「講習を受けなければいけない30分」が経過して一人また一人と会場を後にして去っていった。
最後に残された聴衆は私一人。
「人前で話すのは苦手です」系の講師が私一人に得意と思えない語りを向けてくる。
辛い…時間よ早く過ぎてくれ。
しかしこんな時も仏頂面で座っているというのも個人的にはいただけないと思う質なので合いの手気味のうなずきで「ちゃんと聞いてますよ」アピール。
もう割り切って「いい子ちゃんのオーディエンス」を演じきってなんとか講習時間を終了することができた。
さっさと新しい免許証が欲しいところだがゴールドの特典として最寄りの警察署での更新ができるのはいいが当日受け取りができないというのはいただけないと言えばいただけない。
まあ1週間ぐらいでもらえるんでしょ?にしてもまた来るのメンドクセエナ…なんて思って渡された引き換え用紙を見たら1ヶ月後!
なんでそんなにかかるワケ…?